こうした状況になったことについて、経済部自動車担当デスク・岩間宏毅が解説「互いに不信感が強まる中で、ホンダが日産の完全子会社化を打診したことが、いわば決定打となった。日産にとってはホンダ主導の経営統合は受け入れても、子会社化まではのめないという立場」、今後については「仮に経営統合の協議が打ち切りとなれば、とりわけ業績が悪化している日産の経営立て直しが大きな焦点となる。去年11月に、生産能力や人員削減の大枠の方針は発表したものの、ホンダだけでなく、取り引き先などからも具体策が示されていないという厳しい指摘が出ていた。過剰な生産体制の見直しなど、抜本的な対策の実行は不可欠。一方のホンダも安泰ではない。会社全体の業績は堅調なものの、新興メーカーを含めた世界のライバルと開発競争を続けるには、提携を含めた規模の拡大が必要。さらにEV(電気自動車)シフトが進む中国市場では、日産と同じく苦戦が続いている。存在感を高める新興メーカーに対抗しようという危機感から始まった経営統合が打ち切りとなれば、両社ともに生き残りに向けた戦略の練り直しが求められる」。