SUPER GTに参戦するPACIFIC RACING TEAM。ここにはわずかキャリア5年でGTの舞台に立ったドライバーがいる。冨林勇佑、28歳。周りのドライバーと比べると遅咲きながらもチームをけん引。さらに異色の経歴の持ち主。その秘密が自宅の一室にあった。本格的なレースシミュレーションができる人気eスポーツ大会、グランツーリスモ。冨林はこのタイトルの元世界チャンピオンでプロドライバーになった今でも日々のトレーニングとして取り入れている。グランツーリスモを始めたのは5歳の頃。幼少期から毎週末サーキットに通うほどレースが大好きだった冨林に両親がプレゼントしてくれたことがきっかけだった。バーチャルのレースで世界をとった冨林。この時蘇ったのが幼い頃から抱いていたプロレーシングドライバーへの憧れだった。サーキットでの走りに手ごたえを感じた冨林はeスポーツの世界王者という看板を引っ提げて自らの足でスポンサーを獲得。レーシングチームの目につきステアリングを握るチャンスをつかんだ。eスポーツとリアルとのマシンの差はほとんど感じていなかったという冨林。リアルレースに参戦した当初から様々なカテゴリーでタイトルを手にし実績を残してきた。そんな冨林が今取り組んでいるのがフィジカルトレーニング。数多くのアスリートを指導するトレーナーの下で一年を通してレースを戦い抜く体づくりに励んでいる。バーチャルからリアルのサーキットに飛び出した冨林。そのレース人生が新たな道を切り開いていく。冨林勇佑は「好きという気持ちが大事。楽しみながら取り組むとレベルアップできるし、プロのレーサーになるチャンスも増えてくる」とコメント。トレーナー・仲田健のコメント。SUPER GT第7戦は19日に大分で開催予定。