SYSTEM-700を生み出したのは1972年創業の楽器メーカー。大型シンセサイザーを作る、創業者が打ち立てた挑戦が始まりだった。日本の技術力を世界に示したい、そんな技術者たちの思いが回路に詰まっている。試行錯誤の末、作り出したのは電圧を調整する抵抗の配置。ここで生まれた音はその後の楽器作りにも受け継がれている。これまでにない音を作り出せる、そんな可能性を秘めていたSYSTEM-700。ところが80年代、完成した楽器の音が組み込まれたデジタルシンセサイザーが台頭。すぐに演奏できる手軽さの影に隠れSYSTEM-700は発売から5年に満たず販売終了し忘れ去られた。