大分県日出町。約2万8000万人が住むこの町にイスラム教徒(ムスリム)のど層墓地を作ろうとしている別府ムスリム教会代表のカーン・ムハマド・タヒル・アバスさん。カーンさんは2018年日出町南畑の土地を購入。イスラム教徒土葬墓地の建設を計画している。イスラム教は亡くなった人を土葬しなければならないが、火葬が主流の日本ではその場所を見つけることが難しい。日本で暮らしているムスリムの人口は2020年末推計で23万人。2024年には27万人を超える可能性がある。現在、日本でムスリムを土葬できる専用の場所はわずか9か所。西日本は特に少なく九州にはまったくない。早稲田大学の店田廣文名誉教授はムスリムの土葬墓地が少ないことについて「ある種の人権問題」と警鐘を鳴らした。土地を購入し九州にもムスリムの土葬墓地を作ろうと試みているカーンさんだが、地元住民からは火葬ではなく土葬であるということについて反対の声があがっている。土葬墓地の予定地には貯水池があり、その近くに遺体を埋めることで水質への影響があるのではないかというのが理由だった。