タクシーの乗客はコロナで一時的に落ち込んだが回復傾向。一方、運転手は減る一方となっている。運転手の高齢化やコロナ禍で辞めた人が多かったことなどが背景にある。労働環境を良くして担い手を増やす試みがある。アプリの利用者に限り、路上で手をあげる人を乗せることはなく、二種免許所持が前提のサービスとなっていて、女性や学生の運転手もいる。国も規制緩和に乗り出している。運転者証には氏名・顔写真を見せる必要がなくなった。プライバシーを保護し安心して働ける職場環境をつくる狙いがある。また、特定技能1号にタクシーなどの運転手も加えるよう働きかけている。地方での規制緩和も実施したい考え。ライドシェアの解禁を求める声が上がっている。ライドシェアは車が捕まえやすくタクシーより割安の場合もあるが、事故の責任をめぐり運転手と利用者の間で裁判も起きている。兵庫・養父では自家用車をタクシーとして使うことを認めていて、運行管理はタクシー会社などが設立したNPOが担う。ライドシェアを巡っては、政府内でも様々な意見が出ている。課題は安全管理をどう担保するか。加藤博和教授は、運転手の賃金引き上げ、自治体・事業者・住民ともに持続可能な地域交通の形を考えることが不可欠と指摘する。