珠洲市の北山地区、地震の前は9世帯21人が暮らしていた。区長の小家昭博さんは10キロ離れた仮設住宅に向かう。この集落では各家庭で山の水を引いて生活していたが、地震でその水が出なくなった。水道を復興したいと役場に相談したが、個人の所有物のため原状復帰はできなとのこと。小家さんは集落の人々の復興を諦める気持ちが日に日に増しているという。ゲンジボタルが飛び交う里山として知られた北山地区。ホタルを守るために20年にわたり里山の保全活動を続けてきた。毎年2000人の観光客が全国各地からやってきていた。しかし、地震で里山は崩壊し、ホタルは見られないかもしれないという不安が住民たちに広がっている。先月行われた珠洲市の意見交換会。他の集落が復興の要望を出す中、北山地区の住民からは意見が出なかった。珠洲市の市長は行政としてできるだけサポートしたいと伝えた。北山地区にただ1人残っている仲谷内正子さん。自宅は大規模半壊したが、家族の反対を押し切って集落に残った。毎年、里山の維持管理をしてホタルを大切に想ってきた。ホタルが戻ればもう一度故郷を再生できるかもしれないと仲谷さんはホタルを探している。