モスクワ市内にあるスーパーマーケット。棚のビールには、よろいを身に着けた武将のようなイラスト。その下には、アルファベットで「EBOSHI」。 更に、漢字で「低麦芽味」と書かれている。他にも、漢字で「純度」と書かれた洗濯用洗剤や「高山」というブランドのエンジンオイルなどが並んでいる。パッケージや裏面を見ると少し不自然な日本語が。ロシア経済に詳しい北海道大学・服部倫卓教授は「日本風のブランドイメージを打ち出して、高品質であるというイメージになる」とコメント。日本製をうたう商品は食料品や日用品にとどまらない。「YAMAGUCHI」という企業はさまざまな高級マッサージ機を販売していて、店員は日本の会社の製品だと主張している。しかし、ホームページに記載された山口県長門市の住所には地番が書かれておらず、周辺に海外展開するメーカーなどはなさそう。また、日本語版のホームページでは日本の有名企業の建物の名前だけを「YAMAGUCHI」に差し替えたとみられる写真が本社として紹介されていた。ロシア国内にしか店舗はないが、ネットで注文すれば日本にも配送可能だというYAMAGUCHI。この社名は、山口県と「私は強い」という意味のロシア語「ヤーマグーチー」をかけているという。