アジアの民間企業として初となる月面着陸に挑戦した宇宙ベンチャー「ispace」。きょう未明、大きな一歩に向けた最重要局面を迎えた。歴史的瞬間を迎えようと会場に集まったのは約550人の関係者。3年前にも月面着陸を目指し打ち上げられた月着陸船。しかし、この時はソフトウェアに問題が発生し、月面から高度5km地点を誤って月面と認識。着陸船は低速で降下を続けたものの燃料が尽きて落下し月面に衝突。今回リベンジとなる着陸船に付けられた名前は「レジリエンス」。”再起”という意味。今年1月、レジリエンスを乗せたロケットが打ち上げられた。約5カ月の航行を経て、レジリエンスは月の上空約100kmの軌道上を飛行。そして迎えた最終段階の日。念願の月面着陸に向け、月の周回軌道を抜ける。徐々に近づく月面。その後も高度を下げていく。ここまでは順調。スタッフは祈るように通信画面を見つめる。ついに迎えた月面着陸予定時刻の午前4時17分。レジリエンスとの通信は途絶え、予定時刻を過ぎても着陸を確認できず。その後の会見で今回の月面着陸は「失敗」と発表された。十分に減速できず月に衝突したとみられる月着陸船。3度目の正直となる次の打ち上げは2027年に予定。袴田CEOは「諦めることなく前を向いていきたい」と話した。