日本は世界有数のピアノ保有国。1960年代の高度経済成長の頃から子どもの習い事としてピアノがブームとなり生産台数が増加。ピークの1980年頃には年間40万台のピアノが生産された。使われないピアノも増え、500万台以上あるといわれる。千葉市にある中古ピアノの修理・販売を手がける会社を取材した。買い取り価格は1台1万~100万円。ピアノに使う良質で希少性の高い木材は近年世界的に伐採量が規制され、新品ピアノの価格が高騰。高品質・低価格な日本製の中古ピアノは海外での人気が高く、この会社でも8割を輸出しているという。中古ピアノの輸出量は年々増加し、約365億円にのぼる。ピアノ修理の舞台裏を取材した。まずはピアノをバラバラに分解し、ペダルなどを磨きあげてピカピカにする。ピアノの部品は8000個以上あり、チェックして磨くだけでも大変。必要に応じて内部の部品を修理・交換する。100分の1ミリ単位で調整が必要なため細かい手作業が続く。外装のキズの修理は職人の腕の見せどころ。表面を削り、同じ色で塗ったら、テープを貼りヤスリで磨く。最後は音の調整。230本もある弦を感覚を頼りに調整する。修理費は1台25万~30万円。