半導体の製造には「前工程」と「後工程」がある。半導体に電子回路を作ることを前工程と呼ぶ。回路をどんどん細かくすることで性能を高めてきたが、いま物理的な限界が指摘されている。一方、複数の半導体チップを基板の上に組み込むことを後工程と呼ぶが、この組み合わせで性能を高めることが新たな技術競争の舞台となっている。この後工程の自動化を目指して、日米が連携する。発表によると、米国のインテルと半導体の素材や製造装置を手がける日本企業14社は、東京に本部を置く新たな組織「SATAS」を設立した。新組織には、オムロンなどが参加し半導体チップを基板の上に組み込む後工程の生産工程の自動化に向けて共同開発を行い、2028年の実用化を目指すとしている。後工程の工場は現在、中国や東南アジアなどに集中し、日本国内では人件費の高さと技術者の人材不足が課題となっている。「SATAS」には経済産業省も最大数百億円を支援する方針で、半導体のサプライチェーンの強化につなげたい考え。