熊本地震から10年。南阿蘇鉄道運転士・山本英明にインタビュー。地震で大きな被害が出る中で復興に向けて奮闘した山本英明の思い。阿蘇のふもとを走る南阿蘇鉄道。2016年の熊本地震で線路が寸断され、全線運休となった。山本英明は入社2年目、運転士になったばかりだった。列車を走らせることができず車両点検や清掃する日々が続いた。運転再開のめどが立たないなか、地震の翌月から駅の売店を再開。復興への協力を呼びかけるコーナーを設置した。山本英明はSNSでも情報を発信。運休が続く中、復興に向けて奮闘する姿を伝えると全国の鉄道ファンから予想以上の反響があった。駅舎に置いたノートには訪れた人たちがメッセージを残してくれた。地震から3か月余たった2016年7月31日、被害が少なかった高森駅と中松駅の間で運行を再開した。当時山本英明が常に呼びかけていた言葉は「楽しんでプラス宣伝してください」。被害を受けた橋などの復旧には長い時間がかかった。学生たちは代替バスでの通学を余儀なくされた。地震から7年を経た2023年7月15日、南阿蘇鉄道は全線開通。駅舎には待ちわびた大勢の客が詰めかけた。列車は大勢の人に見送られながら出発。全線開通後も若手社員らとともにさまざまなイベントを企画。ふだん乗客が入れないエリア内で社員の日常業務を体験できる「南鉄フェス」。車両の連結の見学や洗車などを実際に行ってもらう。多くの人にこれからも南阿蘇鉄道を身近に感じてもらいたいと考えている。
