DVや生活に困窮するひとり親など家庭環境に問題を抱え、1人で生計を立てる女性たちを支えるシェアハウスが福岡県内にある。運営するNPO法人は様々な理由からこの場所に住むこととなった人たちに「生活する場所」を提供し、「仕事の確保」をする支援を行っている。県内のシェアハウスに住む30代の女性。小学生の娘を育てている。酒に酔った夫から暴力を受け命の危険を感じたため娘と一緒に家を出た。DVや経済的に困窮するシングルマザーなど家庭環境に問題を抱える7世帯を一時的に保護しているシェアハウス。学生寮だった建物をNPO法人が借りて運営している。運営の費用はNPO法人ぎんともも・野本姿美代表の自費や寄付などでまかなわれていて、各部屋はすぐに生活ができるようキッチンや布団、テレビなどがそろえられている。「生活する場所」を得た女性たちに必要となるのは「働く場所」。野本さんは福岡市西区の温浴施設を訪れていました。野本さんは子供を抱えながら1人で生計を立てる女性たちが働く場所を確保するため受け入れ先となる企業を探している。去年の5月から福岡市博多区の警備会社「にしけい」で契約社員として働く20代のシングルマザーの女性。野本さんの支援を受けて「働く場所」を得た女性の1人。2歳の娘を育てているため時短勤務でチラシや営業広告などを制作している。予期せぬ妊娠や貧困などの理由で子どもを育てるのが困難なため出産前から支援を受ける「特定妊婦」として娘を出産した20代の女性。娘が生後6か月になってからハローワークに通い県内の企業で正社員として働き始めたが、長くは続かなかった。20代の女性は、子育てと両立できる今の働き方が最善だと感じている。野本さんが代表を務めるNPO法人に助けを求める女性は少なくない。「生活する場所」と「仕事の確保」もままらない。これが家庭環境に問題を抱えたまま1人で生計を立てることになった女性たちの多くが直面する現実。NPO法人ぎんともも・野本姿美代表は「一人一人が思いやりをもって他人と接することができるようになればずいぶん変わるんじゃないかなと思う」と語った。