あの松井秀喜も巨人時代に使用、プロ野球全球団、ドジャースなどMLB7球団に導入されている正確無比な精度を誇るピッチングマシンを製造する職人を紹介。場所は利根川のほとり、千葉・印旛郡栄町のどかな田園風景の中に町工場はある。職人の吉田義のほか従業員は2人の息子だけ。長男の洋明が広報と営業、次男の和明は吉田とともにマシン作りを担っている。この道20年の息子にはまだ組み立て作業を任せていない。世界が認める吉田のピッチングマシン。信頼される理由はコントロールにある。ストライクゾーンの真ん中にどれほどの確率で投げられるか計測する。結果は撮影した44球のうち7割となる32球が真ん中へ。ボール球は1球もなかった。信頼されるもう1つの理由、それは長もちすること。横浜DeNAベイスターズの練習施設では吉田のマシンがおよそ20台使われておりましてこの日は25年前に納品したマシンを修理するため引き取りに来た。マシンの部品はおよそ100個、そのうちの9割を自社で製作し、しかも50年間同じ部品を使用しているためすべてのマシンが修理可能なのだ。ベイスターズでキャプテンも務めた石川雄洋はこのマシンがプロ野球人生を支えてくれたと話してくれた。実は吉田、20代のころから指導者として地元の中学校や高校で野球を教えてきた。マシンを作り始めたのは練習環境を整えたかったから。第1号のマシンはバイクを改造して独学で作り上げた。子どもたちのために作り始め世界に認められたピッチングマシン。しかし吉田にはまだやり残している夢がある。それは「グラウンドを作って子どもを集めて練習すること」だそう。