太平洋戦争当時、台湾とフィリピンの間にあるバシー海峡で命を落とした戦没者を追悼する慰霊祭がきのう台湾南部の寺で行われた。この海域では近年、中国が空母を度々航行させるなど緊張が高まっている。同じようなことを繰り返してはならないという人たちの声を取材した。台湾南部バシー海峡を望む海岸。慰霊祭には日本から訪れた遺族などおよそ90人が参列した。南方と日本を結ぶ重要な輸送ルートとされたバシー海峡。戦時中、旧日本軍の艦艇や輸送船が米軍に撃沈されるなどして10万人以上が亡くなったといわれている。ただ、生存者が少なく、記録もほとんど残っていないことから多くのことが分かっていない。戦没者を弔うとともに歴史を語り継ぎ、少しでも風化を防ごうと9年前に慰霊祭が始まった。慰霊祭を主催しているのは台湾にある団体。ボランティアで活動しメンバーの多くが現地在住の日本人。主要メンバーの一人で台湾の大学に通う土山祐実さん。近年バシー海峡ではその平和が危ぶまれることが起こっている。台湾の統一を目指す中国の空母や艦船がたびたび確認され、近隣の南シナ海では中国の船がフィリピンの船と衝突。緊張が高まっている。SNSを通じ若い世代にも慰霊祭への参加を呼びかけていた土山さん。日本人留学生も参列した。