1950年代から全国で明るみになり始めていた公害問題。テレビはこのテーマに向き合う中で公共的な役割を果たそうとしていく。テレビは謎の奇病と言われた「水俣病」をいち早く全国に伝えた。テレビは償いを求める人々の姿を追った。ドキュメンタリー「埋もれた報告」では病気が早い時期に確認されていたにも関わらず10年以上に工場排水は流され続けたと伝えた。浮かび上がってきたのは経済成長を優先するがために被害の防止策を怠った企業と行政の姿だった。法政大学の小林直毅教授は、テレビは公害と向き合うことでメディアの役割を自覚していったのではないかと指摘する。