阪田は猫36匹の避妊去勢手術を頼まれ、山本さん宅に向かった。36匹のほとんどが黒猫とサビ猫で、オスはケージの中、メスはケージの外と分けて飼っていた。頭数は38匹だった。猫がいる部屋は台所として使われており、普段はこの台所で料理しそれぞれの部屋で食べているという。山本さん一家は娘と孫、孫の彼女の4人が猫と暮らしていた。以前はペット禁止のアパートで1匹だけ飼っていたでが、妊娠して帰ってきて5匹が生まれてから増えていった。避妊去勢手術の知識がなかったため猫はどんどん増え、一家の生活は一変した。費用が高いため手術もできず、猫のごはん代で家計も膨らんでいった。3年前に今の家に引っ越し、オスメスをケージの中と外で分けてから出産はなくなった。避妊去勢手術を決めて管轄の愛護センターに相談し、阪田につながった。家のローンを滞納しており、立ち退きの可能性もあるという。阪田は手術費用を立て替えて避妊去勢手術を進めることにした。立ち退きを求められた場合に愛護センターは38匹をいっぺんに引き取ることはできないため今から少しずつ引き取りたいと連絡が来たが、阪田は居場所のある猫たちが愛護センターに入るべきではないと考えていた。