テレビのない時代、国民に戦争を伝えたのがラジオ、新聞、映画館で上映されていたニュース映画。ニュース映画は映像で何を国民に伝えていたのか。きょうとあすの2日間にわたって特集する。きょうは、太平洋戦争開戦直後の日本軍の快進撃。そして太平洋戦争の分水嶺となった1942年6月のミッドウェー海戦までを伝える。「日本ニュース」2号、55号などの映像は映画館で流れていた。当時の日本人にとって最大の娯楽だった映画。そこで通常の映画の上映前などに流されていたのがニュース映画。全国2000以上の映画館で上映されたニュース映画。そこに目をつけたのが軍や政府。陸軍幹部が考えていたこと。戦争の完遂という国家目標の達成へ国民の理解は欠かせない。そこで政府が主導し、朝日、毎日、読売、同盟の4つの会社を統合し、「日本ニュース」が始まる。政府はその内容に強く介入。国策に沿う形で作られた。日本ニュースのオープニングが参考にしたのは、ナチスドイツのニュース映画「ドイツ週間ニュース」。こうした国民の戦意高揚を狙った日本ニュース。その成果が問われるときが訪れる。12月8日の太平洋戦争開戦。日本ニュースも大々的に報じた。ハワイ真珠湾攻撃と同じ頃、日本軍は石油などの資源を求め、東南アジア各地への侵攻を開始。日本ニュースは毎週のように伝えた。開戦から3か月間で上映された日本ニュース76本のうち43本が東南アジアでの戦いだった。映像を見て歓喜にわく国民と快進撃を続ける日本陸海軍。しかし、こうした状況を一変させかねない出来事が起こる。それがミッドウェー海戦。
URL: http://www.aflo.com/