東京・杉並区から中野区、新宿区にかけて流れる妙正寺川。流域は昭和40年代〜60年代に度々氾濫し、都は対策に力を入れてきた。治水施設が地下の空間につくられており、大雨によって川の水位が上昇すると水が流れ込む。一時的に水をためることで下流の水位上昇を遅らせる効果がある。都内では12の地下調節池がつくられている。東京都は複数の川の流域にまたがる大規模な地下調節池の整備を進めている。場所は環状七号線の地下。さらにトンネルを東京湾につなげることで川から取り込んだ水を海に放出することも検討されている。リバーフロント研究所・土屋信行は「気候変動で雨の降る量が確実に増えている。どこまで増えるか分からない。貯水池を越える雨が降り、想定した以上の洪水が起こることは絶えず意識して準備してほしい」とはなす。