ペルー国内には69の刑務所があるが、収容定員4万1556人に対して9万7605人を収容。過密状態。ミュージカルを取り入れたルリガンチョ刑務所も収容定員3204人に対し、9827人の受刑者を収容。なぜミュージカルなのか。海外メディアによるとミュージカルの脚本や歌詞、音楽は全て受刑者らによるオリジナル作品。これによって受刑者らが仲間意識などの協調性を養い、社会復帰するための不可欠な能力を身に着けることができるという。音楽での更生プログラムは95%が再犯しないというデータがある。結果的に刑務所の過密を解消していく狙いがありそう。実際演劇に参加した受刑者のメンタルにも変化。AP通信によると強盗の罪で3度目の服役中の54歳の受刑者は「最初の2度の入所中には薬物に手を出したが、3度目に演劇と出会い薬物を断ち切ることができ、この劇を見てくれる人に人はなんらかの形で変わることができるという例を示したい」と話している。演劇プログラムによって更生した人もいる。海外メディアによると刑期を終えて出所した元受刑者の1人は演劇監督とともに刑務所で受刑者に演劇を教えるワークショップを行い、刑務所の中にいる受刑者らとともに歩むことに人生を捧げている。中野さんは「ロールプレイは心理療法としても取り入れられている。被害者の気持ちになることは他人の立場になって演じるということをやってみて初めて育つ領域。再犯率が低くなったというのはとても大事なデータ」などと話した。