人魚のモデルとも言われるジュゴンは国際自然保護連合のレッドリストで絶滅危惧種に分類されている。特にタイで減少が目立ち今年過去最多の43頭が死んだことが確認されている。タイ海洋沿岸資源局・コンキアットさんによるとジュゴンはエサ不足に直面し痩せ細り病気になって死に至っているという。ジュゴンのふるさとといわれるリボン島、以前はジュゴンのえさとなる海草が豊富だったが今は殆どない。タイ政府によるとリボン島周辺の海草の約90%が消失。その影響は島の人々にも及んでいる。原因の一つとされているのが気候変動による海水温の高さがあり、干潮時の日照りも海藻に影響を与えたと見られる。今地元住民の熱い想いに支えられて地道な保護の取り組みが始まっている。専門家のトン・タムロンナーワーサワット氏によると、リボン島周辺の海藻が無くなったことでジュゴンは北部のプーケットなどに移動したと見られるがこのままだと絶望的な状況になると懸念していた。実際にプーケットなどにジュゴンは出没する様子を見せていて、地元の研究機関もドローンを使ってモニタリングを行っている。ジュゴンの好物であるアマモは成長に時間がかかることから別の海藻を育ててジュゴンの保全を行っている。リボン島ではアマモを育てる事業が行われていて魚が食べないようにネットも使っているが、地元の人々もこれに参加する様子が見られる。
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