2002年、東京で実の親と暮らせない子を預かって育てる里親・坂本洋子さんは、5人の子どもを育てていた。6歳の男の子は実の親から十分な食事を与えられず保護され、里子として坂本さんの家に預けられた。男の子はときに過去の記憶に苦しんでいたという。怯える男の子に坂本さんは愛情を注いだ。2012年、再び坂本家を取材した。里子は18歳で自立を求められる。17歳になった男の子は自立を前に広己という名前を顔を出して里子としての思いを伝えることを決めた。この頃坂本家には6人の里子がいた。1つ上の歩さんは数学の先生になる夢に向けて受験勉強の真っ只中だった。広己さんは高校の演劇部の仲間に里子と打ち明けられないことに悩んでいたが、取材の中で彼は仲間に事実を打ち明けた。現在広己さんは対馬で社会人になっていた。