伝統芸能の拠点、国立劇場は建て替えのため去年10月に閉場し、今は歌舞伎や文楽などの公演を都内のホールなどを借りて行っている。今月、主催する歌舞伎の公演は会場を渋谷区の新国立劇場に移して上演している。新国立劇場で上演中の「夏祭浪花鑑」は大阪の夏祭りのさなかに起きる殺人事件を描いた名作。ふだん現代劇やミュージカルなどを上演しているこの劇場、歌舞伎の舞台機構がないため、今回は花道を特設した。俳優たちは激しい立ち回りや見得をしてダイナミックな演技を披露していた。閉場した国立劇場は建て替え工事の入札が成立せず再開場の見通しが立たなくなっていて文化庁は先月、入札の条件を変更するなどこれまでの整備計画を見直す方針を示している。