地元で大人気のわが町のソウルフードの特集。東京・品川区の武蔵小山駅にある鳥勇は昭和元年に創業した老舗でこの焼き鳥が町のソウルフードである。全10種類あってどれも1本190円である。一番人気はせせりで、鳥勇では「ヒナ肉」と呼んでいる。皮・レバー・砂肝を1串に刺したミックスは様々な食感が楽しめる。お客さんの多くは地元の常連客である。味の決め手は毎日作る秘伝のタレで醤油・みりんなどをベースにしているという。多い日は1日に5000本も売れるとのこと。店先で飲食することも可能で、自分で好きな串を選んだらタレに浸して食べることができる。創業の歴史として鳥勇は1926年に精肉店として創業し、祖父の勇から取って現在の店名になった。戦前から人気のない部位を焼き鳥として販売し、目をつけたのが1羽から僅かしか取れないせせりであった。3代目店主の板倉達也さん(62)は「冷めておいしいのがこの肉」などと話した。商店街で買えるその味は口コミで広がったとのこと。戦火を乗り越え今は武蔵小山駅の周辺に3店舗を構えている。商店街の本店を任されているのは地元出身の篠塚雄一郎さん(45)である。幼い頃に食べたこの味に惚れ込み、10代から30年ほど焼き鳥を作り続けている。鶏肉は国産のものを使用し備長炭で焼くのが昔からのこだわりだという。最初は強火で表面を焼き、タレを付けたら弱火でじっくり焼くのがポイントだという。ナンコツやスナギモは塩で味付けし、ネギ肉やシシ唐はもも肉ではなくせせりを使っている。数量限定の水を熱して蒸気で温めるのでいつでもアツアツな状態になっているとのこと。1本1本丁寧に焼くソウルフードは、世代を超えて愛されている。板倉さんは「いつまでも気軽に楽しめるように維持していきたい」などと話した。