多摩川の生態系を守るために活動してきたのは、山崎充哲さんと山崎愛柚香さん。充哲さんは2021年に亡くなっていて、以降は愛柚香さんが活動を続けてきた。多摩川は2000年代から深刻化していたのが「タマゾン川問題」。14年前多摩川で魚類調査を行う山崎充哲さんを訪ねた八代さん。多くの外来種が住み着いてしまった多摩川の状況を調べてみると、特大のアカミミガメなどがいた。別にもガーパイクなどがいた。多摩川の川の長さは138km、周辺人口も約380万人、年間利用者は約1100万人。2002年にはアゴヒゲアザラシの「タマちゃん」が現れ、大きな話題となった。そんな2000年代に深刻化したのが多摩川の「アマゾン化」。エンゼルフィッシュやシルバーアロワナ、ピラニアなどもいた。この時、生息する生き物は約200種類いたが、うち外来種は約150種類もいたため「タマゾン川」と呼ばれた。理由は購入した魚やカメを飼い切れなくなった人が多摩川に捨てるため。これを受けて山崎充哲さんは2005年に多摩川に捨てさせないために「おさかなポスト」を創設した。これは飼い切れなくなった生き物たちを新しい飼い主につなぐための一時預かり場所で、延べ10万匹以上を新しい飼い主へ渡してきた。現在は対面での引き取りのみ行っている。この思いを引き継いだのが娘の山崎愛柚香さんで、週3回程度、上流~下流までの定点調査を行っているとのこと。父・充哲の活動を引き継ぎ、多摩川の定点調査を行う山崎愛柚香さん。まずは、投網で生息状況を確認する。また草の陰に隠れる魚を探すたも網を使った調査も。約2時間の調査で6種類の在来種を確認した。一方、かつて「タマゾン川」と呼ばれる所以となっていたアロワナやエンゼルフィッシュ、ピラニアなどが網にかかることは無かった。もう少し上流で調査を行ったところ、冬をこした熱帯魚が生息していたという。水温が20度以上になっていればいつでも繁殖できるとのこと。現在熱帯魚は、下水処理水が放出されるエリアで定着しているという。