鹿児島・徳之島に移住した大保健司さんは烏骨鶏や軍鶏など複数の鶏を食用に飼っている。今年の春、販売会で新たに4羽のヒヨコを購入し、名前は全部「ピヨ」に。品種はボリスブラウン、近所で飼っているのは大保さんだけだった。今年6月、鶏小屋のゲートを開け餌やりをしているとピヨが1メートル20センチの塀を乗り越えて逃走した。諦めかけていた4ヶ月後、近隣住民が「知り合いの畑で鶏にわを見たよ」と言い、実際に姿を見に行き品種がボリスブラウンだったことで大保さんは「アレは間違いなくピヨだ!」と確信。しかし畑の持ち主がピヨに愛着を持っていたら返してもらうのが忍びないと思い、「いつでも見に来られる。生きているだけで嬉しい」と畑の持ち主に声をかけずピヨに心の中でお別れをした。しかし先月末、見知らぬ人が来訪。この人物はピヨがいた畑の持ち主で、手に持っていた袋にはピヨが入っていた。近隣住民が畑の持ち主にピヨのことを伝えてくれた可能性がある。さらにピヨは卵を産める成鶏にまで成長していた。大保さんは「これをキッカケに鹿児島・徳之島や鶏のいる暮らしをしたいと移住に興味を持ってくださる方が増えると嬉しい」「ただただ嬉しかった。涙が出そうになった。今でも鶏がいなくなったことは数え切れないくらいあるが、帰巣本能があるのか、時間が経てば戻ってきた。今回は5ヶ月という長い期間だったので猫や犬に襲われてい死んでいるのではと諦めていた」と話す。ピヨはこれから卵用の鶏として大切に育てるという。