新潟県の「佐渡島の金山」は、伝統的な手工業で17世紀には世界最大の金の生産地になったなどとして、日本政府が世界文化遺産への登録を目指し、ユネスコに推薦書を提出していた。これについて、ユネスコの諮問機関「イコモス」が、4段階ある評価の上から2番目の「情報照会」の勧告をまとめた。文化庁が昨夜開いた会見によると、勧告では、佐渡島の金山は世界遺産への登録を考慮するに値するとした一方、完全性、真実性を満たすため、江戸期よりあとの証拠が大部分を占める一部の地区を除くことなど、3点の追加情報を求めている。去年は、イコモスに「情報照会」と勧告された6件中6件がその年の世界遺産委員会で世界文化遺産に登録されていて、政府は“来月インドで開かれる世界遺産委員会での登録を目指し、対応していく”としている。これを受けて新潟県の花角知事は、“勧告を真摯に受け止め、国や佐渡市と連携し、全力で取り組んでいく”とコメントしている。「佐渡島の金山」を巡っては、韓国が“朝鮮半島出身の労働者が強制的に働かされた場所だ”として反発した経緯があり、政府は韓国と丁寧な議論を行っていく姿勢を示していた。イコモスは今回、追加の勧告として、鉱業採掘が行われたすべての時期を通じた資産に関する歴史の説明や展示戦略を策定し、施設などを整えるよう配慮を求めている。一方、韓国外務省は今のところ、“当事国ではないわれわれが勧告結果を確認するのは適切ではない”と述べるにとどめている。韓国の連合ニュースは、“韓国政府が求めてきた強制労働の歴史全体を反映させるよう事実上勧告したものだ。今後、韓日の間でしれつな外交戦が予想される”と伝えた。