普天間基地の名護市辺野古への移設をめぐり、国は大浦湾に広がる軟弱地盤に直接、砂くいを打ち込んで地盤の改良を行う計画。きょう国は、あすにも「トレミー船」という船から海底に砂をまく作業を行って、軟弱地盤の改良工事に着手すると発表した。これは、地盤の改良に必要なくい打ちの前の段階の作業で、今後、くい打ちを行う作業船が大浦湾に移動して、本格的な工事が行われる予定。国は軟弱地盤が見つかったあと、地盤改良工事のため設計変更を申請しましたが沖縄県が承認せず、国が代わって承認する代執行を行い、ことし1月から工事を始めている。これまでに、海上ヤードを設けるための海への石材の投入や、新たな護岸の整備を行ってきましたが、軟弱地盤の改良工事は初めてとなる。今回の工事で地盤を改良する深さは約70メートルまでだが、大浦湾での軟弱地盤の最大の深さは、これまで国内で工事が実施されたことがない約90メートルに及んでいる。国は安定性を十分に確保できるとしている一方、県はこの軟弱地盤の存在を移設に反対する理由の1つにしていて、移設工事は重要な局面にさしかかっている。