2024年、アリーグMVPにしてアリーグシーズン歴代最多ホームラン記録を持つヤンキース・アーロンジャッジ。ここ3年、大谷と共にMVPの常連、メジャーリーグの顔と言えるライバルに大谷もリスペクトの言葉を口にする。ただそれ以上にジャッジは大谷に熱いまなざしを注ぐ。ただ見ているのではない。ジャッジは大谷に打撃の理想型を見ていた。注目したのは大谷のバッティングホーム・ノーステップ打法。体の動きを最小限にとどめているから、目線のブレが抑えられる。だからメジャー特有の細かいに変化にも対応でき、それでいてバットのグリップをギリギリまで残せるからボールと長く向き合える、それがメリット。一方で体の反動を使えないため、パワーを生み出しにくいというデメリットもある。しかし常人離れしたパワーがあることはジャッジも同じ。だから大谷はうってつけの研究対象。ここ数年、ジャッジのホームを見ていると大谷を参考にしていることがうかがえる。まずは2022年のフォームを見てほしい。そして去年のフォーム。わずかだが足を上げる高さを抑え、体全体の動きを少なくしていることがわかる。歴代最強のスラッガーとも称されるジャッジからすれば、大谷翔平はお手本であり、日常の楽しみであり、そんなライバル。新たなシーズンの開幕まであと51日。この2人はいかなる放物線と夢を描くのだろうか。