高橋宏斗は7月にプロ4年目で初になる月間MVPを獲得したという。32イニングを投げて失点ゼロという驚異的な数字だ。今シーズンの高橋宏斗の登板の全てはカードの初戦だ。勝敗によってはその後の試合に影響が出る重要な役割を任されている。高橋宏斗にプレッシャーについて話を聞くと、本を読んでプレッシャーへの心構えを学んでいると語った。
2月。高橋宏斗は開幕戦に向けて3月29日の開幕戦に上がることを目標に合宿で練習している。開幕投手はチームのエースということもあり、その決意は練習にも現れている様子だったという。練習ではストレートの質を高める努力をしたという。そして2月23日にオープン戦に臨み、不安定な心の状態のためかストレートを打たれるというエースとは程遠い内容で終わった。そのため2軍行きを告げられた。開幕戦後にチームは一時的に8年ぶりに単独首位という好スタートを切った。
一方で高橋宏斗は2軍で調整を行っていた。そこでゼロからフォームを作り直すことにしたという。安定した下半身づくりを行い、体の細部に拘ってフォームを模索した。高橋宏斗は中京大中京高校のエースで、学生時代は世代No.1投手を目標にしていたという。2020年の交流試合では自主練習でストレートの球威は伸びて成果が出たという。2軍でフォームを模索する中でも高橋宏斗は自分と向き合い続けたという。4月28日に高橋宏斗は1軍のマウンドに戻ってきた。そこで高橋宏斗は高い修正力を見せたという。
5月。開幕直後は好調だったチームが失速するようになった。要因の一つが先発ピッチャーの不足だ。高橋宏斗は先発で出場し、9回まで無失点に抑えたが、その後にミスから3失点することになり、試合には勝利したが歯がゆい勝利になったという。高橋宏斗は9回まで投げきるまでに何が必要なのかを探るためにデータで自らの投球を見直した。
7月5日の広島戦。チームの投手事情は相変わらず厳しい状況。この日に高橋宏斗は先発で出場し、9回まで無失点で抑えた。高橋宏斗は9回も登板し、そのまま9回も無失点に抑えて、今シーズン初の完封勝利を挙げたという。高橋宏斗は下位に沈んでいるチームの中で一人奮闘しており、自己最多の12勝を挙げている。