世界初のアルツハイマー型認知症の治療薬「レカネマブ」。大阪市内で行われた認知症を診察する医師などを集めたセミナー。新薬がもたらす効果についての説明が続く中で、ひときわ異彩を放つ講義があった。松本一生医師は、「レカネマブ」に期待が膨らむばかりの社会の風潮に懐疑的な視点を持っている。松本医師が院長を務めるもの忘れ外来には日々、多くの患者がやってくる。松本医師は「レカネマブの適用外だからもう諦めなさいというような社会的な風潮にはしたくなかった。今までのやり方をしたとしても、認知症という病気は支えていける病気だと僕は考えている」などと話す。若年性認知症で「レカネマブ」による治療を続けている大阪市の女性は、去年夏頃からヘルパーの支援を受けるようになった。1人暮らしを心配した母の依頼だった。「レカネマブ」は病気の進行を完全に食い止めることはできない。少しずつ自分の体に起きる異変に不安を感じながら2週に1回の投与を続けてきた。ことし1月、「レカネマブ」の投与から1年が経ち、認知症の進行状況を調べる検査が行われた。
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