- 出演者
- 伊藤隆佑 村瀬健介 國本未華 日下部正樹 山本恵里伽
オープニング
特集:陰謀論に揺れた韓国大統領選、認知症新薬の効果と課題。ニュースラインナップ:5回目。日米関税協議「一致点見い出せず」、全国110地点以上で「真夏日」、佳子さまブラジル公式訪問、侍対決・大谷翔平vsヌートバー。
アメリカ・トランプ政権の関税措置をめぐる5回目の日米閣僚協議がワシントンで行われたが、今月中旬のG7サミットに合わせた首脳合意に向けて一致点を見出すまでには至らなかった。赤沢亮正経済再生担当大臣はベッセント財務長官、ラトニック商務長官と協議したが、日米間の合意までには課題が残っていることを明らかにした。
トランプ関税など貿易問題をめぐるアメリカと中国の閣僚協議が週明けの9日にイギリス・ロンドンで開催されることになった。アメリカ側からはベッセント財務長官、ラトニック商務長官、グリア通商代表が出席。トランプ大統領はアメリカ側が問題ししている中国によるレアアースの輸出規制について習主席が電話会談の中で供給再開に同意したと明らかにした。
石破総理がきょう、群馬県を 視察した際、地域活性化に向けたまちづくりについて前橋市で意見交換する中で「群馬県と聞くと怖い人がたくさんいそう」などと発言。その後、記者団に直接地方に訪れる重要性を訴えたもので差別の意識はまったくないと釈明。
ブラジルを公式訪問中の秋篠宮家の次女・佳子さまがサンパウロ州からイピランガ勲章を贈られた。今回の公式訪問は外交関係樹立130周年にあたり、招待を受けたもので、佳子さまは8都市をまわり、日系団体と交流される予定。
きょうも各地で夏の暑さが広がった。金沢市では金沢百万石まつりのメインイベントの百万石行列が幕を明けた。福島・梁川32.9℃、沖縄・波照間32.7℃、長野・上田32.6℃、群馬・桐生31.9℃。気温30℃以上真夏日が全国110地点以上。東京都心も午前中から真夏日に迫る暑さとなった。那須どうぶつ王国(栃木・那須町)では世界で最もかわいいヒツジと呼ばれるヴァレーブラックノーズシープが日かげでぐったりしていた。あす以降、梅雨前線が北上し、全国的に天気は下り坂。気温は低くなるものの、湿度は高くなる見込みで、引き続き熱中症に注意が必要。
アメリカ・トランプ大統領は関係が悪化した実業家・イーロン・マスク氏に対し、「直接対話する予定はない、考えてもいない」と話した。トランプ氏は今年3月、マスク氏が経営する電気自動車メーカー・テスラの乗用車を購入したが、一部のメディアはトランプ氏が売却を決めたと報じた。両者の批判合戦は一旦、止まった形だが、トランプ氏はマスク氏が経営する企業との政府契約を見直す可能性を改めて示していて、関係修復に向けた動きはみえていない。
MLB:カージナルス5-0ドジャース。2023年WBC日本代表のドジャース・大谷翔平とカージナルス・ヌートバーが笑顔を会話を交わした。
東京・港区でドローンの操縦技術を競う大会が行われた。参加したのはJR東日本グループの技術者たち。初代チャンピオンに輝いたのは架線などの保守作業を行うチームで、決勝戦で最速タイムを記録。JR東日本は大会を通して安全や技術のさらなる向上につなげたいとしている。
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投票箱を24時間、防犯カメラで監視するなど異例の対応が取られた韓国大統領選挙。背景にあるのはネットで拡散した不正選挙をめぐる陰謀論だった。こうした情報が若い男女の投票行動にも影響を与えている。混乱の現地を取材。韓国の新たな大統領に就任した李在明氏。李在明氏が49.42%を獲得し、保守派の与党候補らを抑えて勝利。淑明女子大学・洪誠秀教授は今回の選挙結果から若者の投票行動の変化に注目している。20代、30代の男女はやや進歩的な傾向があり、年配の世代は保守的な傾向と両極化することが一般的だったが、今の20代、30代では男女の間で違いが顕著に表れる。政治的な傾向が若い男女でこれほど違うことは非常に注目すべき新しい現象といえる。20代、30代の女性が李在明氏に投票したのに対し、男性は保守系の金文洙氏と李俊錫氏を含む3人で票を分け合った。投票行動の背景に選挙で不正が行われているとするネット上の世論が大きく影響したという。
投票のプロセスを有権者がチェックする仕組みを導入するなど異例の態勢で行われた今回の韓国大統領選挙。期日前投票に使われた投票箱も24時間、防犯カメラで監視し、映像を公開。投開票に関わる事務職員は韓国籍に限定された。背景にあるのは過去の選挙でハッキングなどの行為があったとする不正選挙をめぐる陰謀論。今回の大統領選挙のきっかけになった尹錫悦前大統領による戒厳令に影響を与えたとされるのが過去2回の総選挙で革新系の勝利には不正があったとするネット上の言説。尹氏の発言を受け、陰謀論は一般市民にも広がり、不正選挙を追及するデモも起きた。戒厳令が起きた翌月の今年1月に行われた世論調査で約43%が不正選挙があったと思うと回答している。過去の選挙に中国の介入があったと主張してきたYouTuber・イ・ボンギュ氏が取材に応じた。中央選挙管理委員会は不正選挙を否定したが、イ氏は当局が事実を隠しているとし、解明するために戒厳令は必要だったという。戒厳令が出された去年12月3日、尹前大統領が軍を選管庁舎に展開させた時の映像を紹介。ネットメディアはアメリカ軍との共同作戦で中国人のスパイ99人を逮捕したと報じた。選管当局や在韓米軍は報道内容を否定したが、イ氏は中国との戦争を避けるために事実を公表しなかったと信じている。
今回、李在明の対抗馬なった保守系・金文洙候補も不正選挙があったと主張してきた1人。金氏に共鳴し、金候補を支持した漢陽大学作曲科4年の男子大学生は今年1月、大学生の政治組織の自由大学を設立。尹前大統領の弾劾に反対するデモを行ってきた。デモがあったリトルチャイナを訪ねる。
若者の投票行動では男女の分断も注目されている。去年12月、戒厳令の際にも際立った。尹大統領の弾劾を求める集会は20代、30代の女性たちであふれていた。今回の大統領選挙では若い男女で投票行動の違いが顕著に出た。李在明大統領の出口調査(KBSなど3社)の結果、20代女性58.1%、20代男性24%。李在明大統領は女性家族省を拡大、再編すると明らかにしている。女性家族性は2001年、金大中政権時代に女性省として発足し、女性の社会進出のための政策を実施。2022年の尹錫悦前大統領は公約は女性家族省の廃止を打ち出した。 李俊錫氏も女性家族省の廃止を公約に掲げ、若い男性から最も支持を集めた。20代男性の得票率は37.2%、20代女性の得票率は10.3%。マーケティング会社・チョ・ヨンミ代表は女性の社会進出が進んできたと話す。淑明女子大学・洪誠秀教授は男女の分断が深まった理由のひとつに女性政策の意見の対立を選挙に利用するようになった政治家の影響が大きいという。
韓国の新しい大統領に就任した李在明氏。日本を敵性国家と表現するなど厳しい発言を繰り返してきた。今後の日韓関係はどうなるのか。4年前から韓国に留学している学生は、たとえ日韓の政治状況が変わったとしても、若い世代にある親密な関係は変わらないと話す。KーPOPアイドルになることを目指して韓国にダンス留学をしている女性は、選挙での高い投票率など韓国の若者の政治参加への意識の高さを感じたという。過激な発言から“韓国のトランプ”と評されたこともある李在明氏。その陣営から日韓関係についての助言を求められている早稲田大学・李鍾元名誉教授は、日本に対する厳しい言葉は実体験や政策に基づくものではなく、支持者に向けたリップサービスだという。
今回の韓国大統領選挙で驚いたのは若者の男女間の分断の大きさだと思う。日下部は「同じ世代でも見えている光景が全く違うのではないかと感じた」などとコメント。選挙中はフェイク情報が拡散。日下部は「今回の大統領選挙は79.4%という非常に高い投票率を記録。これは民主的な選挙を守ろうという韓国の人たちの危機感の表れだと思う」などとコメント。
100年以上、不治の病とされてきたアルツハイマー型認知症。その治療薬「レカネマブ」がおととし、世界で初めて承認された。若年性アルツハイマー病と診断され、新薬の治療を続ける大阪市の女性を取材。「レカネマブ」は日米の製薬会社の共同開発。日本ではこれまで8000人あまりの患者に投与されてきた。認知症の進行を遅らせることができるという。女性が「レカネマブ」の投与を始めたのは去年1月。2週に1回通院し、女性の場合、治療にかかる負担は年間約70万円。治療費は母と兄が負担している。「レカネマブ」はアルツハイマー病治療に光明をもたらした。去年開かれた認知症学会でも大きな注目を集めた。一方で、薬の課題を問う声もある。認知症の患者は推定1000万人以上。このうち、「レカネマブ」を処方できるのは、軽度認知障害または初期の患者に限定され、その数は約540万人。副作用で脳出血が起きる恐れがあるため、患者は治療前にMRI検査などを受けなければならない。脳に5個以上または、1センチを超える脳出血がある場合は対象から外される。「レカネマブ」が投与されたのは対象患者のうち0.1%。
世界初のアルツハイマー型認知症の治療薬「レカネマブ」。大阪市内で行われた認知症を診察する医師などを集めたセミナー。新薬がもたらす効果についての説明が続く中で、ひときわ異彩を放つ講義があった。松本一生医師は、「レカネマブ」に期待が膨らむばかりの社会の風潮に懐疑的な視点を持っている。松本医師が院長を務めるもの忘れ外来には日々、多くの患者がやってくる。松本医師は「レカネマブの適用外だからもう諦めなさいというような社会的な風潮にはしたくなかった。今までのやり方をしたとしても、認知症という病気は支えていける病気だと僕は考えている」などと話す。若年性認知症で「レカネマブ」による治療を続けている大阪市の女性は、去年夏頃からヘルパーの支援を受けるようになった。1人暮らしを心配した母の依頼だった。「レカネマブ」は病気の進行を完全に食い止めることはできない。少しずつ自分の体に起きる異変に不安を感じながら2週に1回の投与を続けてきた。ことし1月、「レカネマブ」の投与から1年が経ち、認知症の進行状況を調べる検査が行われた。
世界初の認知症治療薬「レカネマブ」投与から1年が経ち、認知症の進行を調べる検査を受けた大阪市の女性。大阪公立大学医学部附属病院・武田景敏医師は「少し悪かったようですが、全体としては概ね変化はないかなと思います」などと説明した。「レカネマブ」の投与期間は原則1年半。女性は視覚の認識に問題はあったが、副作用もなく、今月末までの継続投与が決定した。「レカネマブ」は治す薬ではなく、進行を遅らせる薬で意味がないという人もいる。しかし、僅かな期間でもその人らしく生活したいと願う患者や家族には希望。
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- レカネマブ大阪公立大学医学部附属病院