2025年5月31日放送 17:30 - 18:50 TBS

報道特集
検証〜兵庫県の情報漏えいなぜ起きた?△獄死が急増〜死刑免れた男たち

出演者
伊藤隆佑 村瀬健介 國本未華 日下部正樹 山本恵里伽 
(オープニング)
オープニング

番組オープニング。

ニュースラインナップ

特集は「兵庫・情報漏えい・斎藤知事の指示か?」「獄死が急増・死刑免れた男たち」。

(ニュース)
「随意契約」の備蓄米 即完売 相次ぐ

随意契約による2022年産の備蓄米の販売が始まった。全国で初めて販売した千葉・松戸市のホームセンター。午前7時の時点で販売される65袋分の人が列をなした。午前9時、整理券を持つ人に備蓄米が販売された。5キロ2160円(税込み)。仙台市でも雨の中約250人が並んだ。備蓄米を1万トン購入しているアイリスオーヤマの関係者は「消費者に届けることができてうれしく感じている」などと話した。一方、500袋を並べた都内のイトーヨーカドーは1時間で完売。明日以降、イオンやドン・キホーテなどの大手小売でも販売が始まる。

「農家が頑張る気持ちにならなければ…」

自民党・森山幹事長は鹿児島県鹿屋市で講演し、コメの価格を巡って、「農家にコメ作りを頑張ろうという気持ちになってもらわなければ、食料安全保障は成り立たない」と小泉農林水産大臣に伝えたことを明らかにした。また、備蓄米を巡る国民民主党・玉木代表の「1年経ったら動物のえさになるようなもの」との発言について、失礼だと批判した。

巨額投資も…「アメリカの会社であり続ける」

日本製鐵によるUSスチール買収計画を巡り、アメリカのトランプ大統領が、USスチールの製鉄所で集会を開いた。トランプ大統領は日本製鉄による140億ドルの投資について「アメリカの鉄鋼業の歴史上、最大の投資」と意義を強調し、集会に参加した日本製鉄・森高弘副会長を「とても尊敬されている人物」とたたえた。一方で、「最も重要なことはUSスチールがアメリカにコントロールされ続けることだ」とも述べた。集会後、報道陣に対し、現時点で買収の最終的な承認はしていないことを明らかにしている。また、トランプ氏はすでに鉄鋼に課している25%の追加関税を、6月4日から50%に引き上げると表明。

ハーバード大のビザ「追加審査」指示

アメリカのトランプ政権がハーバード大学を訪れる目的のビザ申請者に対し、SNSを確認する追加の審査をするよう各国のアメリカ領事館などに指示したと報じられた。ロイター通信などによると、SNS追加審査の対象は、ハーバード大学の留学生、研究員、講演する人、旅行客など。反ユダヤ主義的な嫌がらせや、暴力の経歴を持つビザ申請者の特定が目的。トランプ政権は、反ユダヤ主義などを理由に、ハーバード大学への助成金を凍結するなど圧力を強めていたが、追加審査で留学生以外にも影響が及ぶ可能性がある。

同盟国などに防衛費増額呼びかけ

アメリカ・ヘグセス国防長官は、シンガポールで開かれているアジアや欧米の国防トップらが集まるアジア安全保障会議で演説。東シナ海、南シナ海で軍事活動を活発化させている中国を名指しで非難した。また、中国による台湾侵攻の脅威は差し迫っているとして強い危機感を示した。ヘグセス氏は日本を含む同盟国、友好国と連携を強化し、抑止力を高める姿勢を強調。そのうえで、各国に防衛費の増額を呼びかけた。

新潟水俣病60年 歴史と教訓伝える集会

4大公害病の1つ、新潟水俣病の公式確認から60年。環境大臣が10年ぶりに出席し、新潟市で、歴史と教訓を伝える集会が開かれた。これまでに717人が患者認定されたが、認定されなかった被害者による裁判が続き、関係者の高齢化が進んでいる。去年、熊本でマイクの音を切って批判された懇談の場で、浅尾環境大臣は予定時間を延長して関係者の声に耳を傾けた。ただ、出席者からは「政治解決を図るという姿勢は見られなかった」と憤りの声が上がっている。

速報 北海道日高東部で震度4

午後5時37分頃、地震が発生した。震源は釧路沖、震源の深さは約20キロ、マグニチュードは6.1と推定。海面がやや変動する可能性はあるが、被害の心配はないという。最大震度4を観測したのは北海道日高東部、十勝中部など。

アジサイで描いた「ミャクミャク」アート

京都府宇治市の三室戸寺では、アジサイで描かれたの巨大な大阪・関西万博公式キャラクター・ミャクミャクのアート作品がお目見えし、人気を集めている。あじさい園は7月6日まで。

大谷翔平vsジャッジMVP対決

ドジャース・大谷翔平とヤンキース・アーロンジャッジのMVP対決は漫画のような打ち合いになった。先に快音を響かせたのはジャッジで19号ソロホームラン。その裏、大谷が21号先頭打者ホームラン。大谷はさらにメジャートップの22号ホームラン。MVP対決は大谷に軍配が上がった。

都営バスでまた女の子置き去り

東京都交通局によると、きのう午後5時ごろ、都営バスが終点の秋葉原駅前に到着した後、乗客の10歳くらいの女の子が約8分間バスに置き去りになった。男性運転手が車内点検を忘れてバスを降り、トイレ休憩から戻ったところ、女の子が残されていたという。都営バスでは先月にも乗客の女の子が置き去りになるトラブルがあり、東京都交通局は再発防止に努めていくとしている。

関東で強風 JR宇都宮駅などで倒木

きょうの関東地方は強い北風が吹き、各地で倒木が相次いだ。警察によると、東北自動車道上りの佐野SA金で倒木があり、車が接触する事故が2件相次いだという。最大瞬間風速20.7メートルを記録した宇都宮市では、JR宇都宮駅前のロータリーの木が折れた他、東京・港区でも倒木が道路を塞ぐ被害があった。いずれもけが人はいない。

(気象情報)
気象情報

全国の気象情報を伝えた。

(特集)
第三者委「斎藤知事の指示の可能性高い」

元県民局長のプライバシー情報が漏えいした問題。第三者委員会が斎藤知事の指示の可能性が高いと発表した。3人の側近が指示を認める中、斎藤知事さけが指示していないと繰り返している。7年ぶりに開催された「楠公武者行列」。武将・楠木正役は兵庫県・斎藤元彦知事。混乱が続く兵庫県。沿道からは抗議の声も上がった。今週火曜日、斎藤知事のパワハラなどを告発した元県民局長のプライバシー情報を漏えいしたとして、兵庫県は知事の側近とされる井ノ本元総務部長を停職3ヶ月の懲戒処分とした。情報漏えいを調査した第三者委員会が指摘したのは斎藤知事の関与。しかし、斎藤知事は否定。県の幹部職員は、今回、第三者委員会により斎藤知事がうそをついていると認定されたと感じたという。だが、懲戒処分の決裁権者である斎藤知事は、週刊文春などの情報源は刑事告発した一方で、井ノ本氏については告発を見送った。

告発者捜しで得た私的情報

兵庫県を巡る一連の問題の発端は去年3月、当時の西播磨県民局長が斎藤知事のパワハラなどを告発する文書をメディなどに送ったこと。斎藤知事は、片山副知事らに告発者の特定を指示。県民局長への事情聴取が行われた去年3月25日、県側が録音していた音声がある。「告発文書を書いたのか」と片山副知事が県民局長を問い詰めている。県民局長は公用パソコンを取り上げられ、中にあったのはプライバシー情報だった。県民局長が亡くなった後も、片山副知事は公用パソコンのプライバシー情報を公にすることにこだわった。発言を制止した場面は、一部県議とマスコミが結託して情報を隠し、知事を貶めようとしているとの陰謀論につながった。斎藤知事自身も県知事選挙中、そのプライバシー情報について言及していた。今回、第三者委員会は井ノ本元総務部長が、このプライバシー情報を3人の県議に漏えいしたと認定。取材に応じた第三者委員会の工藤涼二委員長は、この情報漏えいが元県民局長を追い詰めた原因の1つだと推測する。井ノ本氏は当初、第三者委員会に対し、情報漏えいを認めていなかったが、ことし2月、人事課に出した弁明書で一転して漏えいを認め、「知事及び副知事の指示に基づき、総務部長の職責として正当業務を行ったにすぎない」と主張。片山氏は第三者委員会の聴取に対し、「知事から元県民局長の私的情報について、議会と情報共有しておくようにとの指示があったと聞いていたので、特に反対もせず、井ノ本氏に根回しするように指示した」と話したという。指示はしていないという斎藤知事と食い違う3人の証言。元裁判官でもある工藤委員長は、情報漏えいが知事の指示により行われた可能性が高いと結論付けた訳を「知事は真っ向から否認されて、即座に否定された。ちょっと不自然だなと」「3名の供述がおおよそ一致している」と話す。ことし1月に亡くなった元県議。元県民局長のプライバシー情報を巡る井ノ本氏らの動きを当初から察知し、自ら調査に乗り出していた。責任を押し付けられた元県議は、第三者委員会の調査に応じる気力もなく、自宅で命を断った。第三者委員会は、元県民局長のプライバシー情報漏えいについて、元県議が情報の出どころとは認められないと結論付け、斎藤知事らが井ノ本氏に指示した可能性が高いと指摘した。

情報漏えい「指示」なら法には?

兵庫県の問題を発信し続けている西脇亨輔弁護士は、今回の第三者委員会の結論について、「2つ(斎藤知事と井ノ本氏ら3人の証言)を比較していくと、通常の裁判であれば、指示があったという証言の方が信用性が高いと認定されるのが通常」と話す。知事が井ノ本氏に指示していたら法に触れるのか。地方公務員法・第三十四条「職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない」、第六十二条では、職員に情漏えいを命じたり、そそのかす行為も地方公務員法違反に当たり、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金と定めている。西脇弁護士は「第三者委員会で知事の指示の可能性が高いという結論が出た。それもはねつけるとしたら、あとはもう刑事告発とって司法の手に委ねるしか残らなくなってしまう」などと話す。きのう、改めて斎藤知事に聞いた。「私自身はこれまでの認識と同じで指示をしたということはありません」などと述べた。

どう責任をとる?斎藤知事は…

今週火曜日に、情報漏えい行為が知事、元副知事の指示の可能性が高いと第三者委員会が認定した。斎藤知事は否定を繰り返すのみ。日下部は「プライバシーの情報漏えいは、問題の確信をはぐらかすための典型的な論点づらしだと思う。告発内容と情報源の人物の人格やプライバシーは分けて考えなくてはならない」、村瀬は「斎藤知事が公益通報を潰すために、自己保身のために権力を乱用したのかどうか、大きな視点を忘れないようにしたい」などと話す。

死刑を免れた男達は今

死刑の次に重い刑罰、無期懲役。現在約1700人が収容されているが、厳罰化で仮釈放が減り、獄死するケースが増えている。死刑を免れた男達の今をカメラが追った。宮城刑務所と棟続きの仙台拘置支所には全国に7か所ある死刑場の1つがあり、オウム事件の死刑囚1人もここで執行された。長期の受刑者約500人が収容されているが、3人に1人が無期懲役。死刑を免れた男達。仮釈放はここ10年でわずか3人。終身刑化が顕著。病棟にいる4人のうち3人が無期懲役。病棟は介護施設のよう。塀の中でも一般社会の病院に劣らない医療設備が整っていた。

増える”獄死”無期懲役の現実

宮城刑務所は東北地方の医療重点施設に指定されている。医師7人、看護師20人が24時間交代で待機する。獄死が常態化している。新妻宏文医務部長は東北大学から派遣されて30年。多くの獄死に立ち会ってきた。病棟では受刑者2人が衛生係として働く。獄死の現実を知るからか、衛生係の再犯はほとんどない。高齢化で手厚い介護をせざるを得ない現状に、所長も戸惑いを隠せない。矯正施設で受刑者にかかる医療費は巨額。健康な高齢者は工場で作業をする。木工場で働く受刑者22人のうち無期懲役囚は14人。死刑を免れた男達は独居房で少なくとも三十数年を過ごさなければならない。長い刑期は獄死と隣合わせ。事件は加害者の家族も被害者にしてしまう。

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