宮城刑務所は東北地方の医療重点施設に指定されている。医師7人、看護師20人が24時間交代で待機する。獄死が常態化している。新妻宏文医務部長は東北大学から派遣されて30年。多くの獄死に立ち会ってきた。病棟では受刑者2人が衛生係として働く。獄死の現実を知るからか、衛生係の再犯はほとんどない。高齢化で手厚い介護をせざるを得ない現状に、所長も戸惑いを隠せない。矯正施設で受刑者にかかる医療費は巨額。健康な高齢者は工場で作業をする。木工場で働く受刑者22人のうち無期懲役囚は14人。死刑を免れた男達は独居房で少なくとも三十数年を過ごさなければならない。長い刑期は獄死と隣合わせ。事件は加害者の家族も被害者にしてしまう。
住所: 宮城県仙台市若林区古城2-3-1