売春目的で路上に立ついわゆる「立ちんぼ」。大阪の繁華街で急増したことを受けて去年、警察などが対策を講じてきた。取材を進めると、摘発を逃れるためにより巧妙に売春が行われている現状が見えてきた。今月1日、午後7時ごろ、大阪市中央区には売春目的で路上に立つ女性たちの姿が見られた。摘発を気にしながらも横行する売春行為。警察などは大阪市北区で、ある異例の対策を行った。梅田エリアの繁華街、太融寺町。去年の年末、ラブホテルが立ち並ぶ道路の一角が黄色に塗られた。この場所ではおととしから去年にかけていわゆる立ちんぼが急増。去年このエリアで売春を目的に客を待ち、逮捕された人の数は30人に上った。地域の治安悪化も懸念され、去年12月に打たれた対策が道路を明るい色に塗ることだった。目立つ場所を嫌がる人間の心理を利用した取り組み。警察の調査によると塗装前は一度に最大17人、平均すると7人ほどが立っていた。塗装後の今年2月は平均で0.9人とおよそ9割減少。これまでこのエリアにいた女性たちは売春をやめたのか。同じく客待ち行為が横行しているミナミで取材をすると、以前は太融寺にいたという女性に出会った。道が黄色に塗られたことで売春をする人が減ったことに加えて、警察が取り締まりを強化したため移動したと話す。更に、大阪の風俗店関係者は「出会い系居酒屋に潜伏して新しい人を引っ張ってくる」と述べた。出会い系居酒屋は来店した初対面の男女が同じ席で飲食や会話を楽しむ店で、女性たちはここで新たに客を探しているという。場所を変えて横行する売春行為。手口はより巧妙に、そして複雑化しているよう。