大阪市内に住む90代男性。5年前、先祖の墓があった寺が突然取り壊され、遺骨を引き取らざるを得なくなったという。寺の跡地では開発が進み、新しい戸建て住宅が立ち並んでいる。住職など寺の関係者の行方が掴めない中、寺の売買に関わったという不動産会社の社長が取材に応じた。社長は住職から「助けてほしい」と頼まれたと話す。少なくとも8000万円を超える債務を抱えていたというこの寺。会社は住職が持っていた寺の代表者の権利と不動産を合わせて約1億5000万円で買い取った。その後、土地を更地にして別の不動産会社に約2億1000万円程度で転売。代表者の権利は約2700万円程度で別の寺の住職に売ったという。収入が減り経営難に陥る寺が、今、各地で相次いでいる。檀家数の減少、葬儀の簡素化。環境が厳しさを増す中、約4割の寺で年間の収入が300万円未満となっている。こうした中、寺の土地売買を巡る不正で複数の逮捕者が出る事態が発生。平安時代に創建された正圓寺。事件後、寺の門は閉ざされ、本堂の中も荒れ果てている。発端は檀家の減少で寺の収入が減る中、住職が老人ホームの運営を計画したことだったという。その後、窮地に陥った住職に近づいてきたのが不動産会社の男たち。不正な取引によって利益を得ようとしたなどとして4人が逮捕され、住職を含む3人に有罪判決。寺は閉山に追い込まれた。
住所: 大阪府大阪市天王寺区生玉前町5-22
