中国で急速に売り上げを伸ばしている宝くじ。各地で品切れ状態となっている。背景には若者の失業率の高さがある。中国・北京の宝くじ店を訪れるとスクラッチくじは売り切れと書いてあった。中国では去年宝くじの売り上げが前年よりも4割近く増え、日本円にして12兆円を超える宝くじブーム。中でもスクラッチくじが各地で品切れ状態となっている。いま宝くじの購入者のおよそ8割が18歳から34歳の若者だという。憂さを晴らすためという若者たち。中国では若者の失業率が13％を超え、大卒の就職内定率は5割を下回る水準に。空前の宝くじブームは働くより一獲千金をと、多くの若者が現実逃避に走ったためとの見方も出ている。スクラッチくじの品薄は若者の行動を危惧した中国政府が、ひそかに販売規制に乗り出したからではないかとの指摘も。今週月曜日から始まった中国共産党の重要会議「3中全会」では、中長期的な経済政策などが議論されているが、大きなテーマの一つが若者の失業対策。浙江省東陽市にある時代劇などを撮影するための巨大なオープンセットを紹介。中国のハリウッドとも呼ばれる、世界最大の映画撮影基地。今中国全土から20万人もの若者たちが集まってきたという。エキストラをやりに来た、大学を卒業したばっかりの女性2人に下宿先を案内してもらった。月2万円ほどだというアパートの一室で毎日エキストラの仕事を探すという。炎天下で長い待ち時間のため休憩用の“俳優イス”が必需品となっている。エキストラの仕事は1日の報酬はおよそ2000円。就職活動がうまくいかなかったという2人は息抜きもかねてここにやって来たという。未来を描けず厳しい現実から距離を置こうともがく若者たち。新たな課題が中国社会に突きつけられています。