この日、小野さんは広島市内の民家を訪ねた。2年前、広島市内の民家で忘れ去られていた本が見つかった。発見されたのは、句集「広島」。原爆投下から10年後に出版された。被爆者たちが原爆の残酷さを詠んだ、生々しい俳句が載せられている。俳句に秘められた背景を紐解いていくと、語られてこなかった被爆者たちの凄惨な体験。そして作者のその後の人生までもが見えてきた。原爆俳句は、いまを生きる私達に何を訴えようとしているのか。
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