はやぶさが燃え尽きたあと小さな一筋の光が残った。切り離したカプセルだった。落下場所はオーストラリアの砂漠で翌日、無事に発見された。カプセルには着陸の衝撃で舞い上がった砂の微粒子が入っていた。太陽系の誕生、さらには生命誕生の謎に迫る貴重なサンプルとなった。イオンエンジンの開発を率いた國中均は、妻がはやぶさの記事を集めていたことを初めて知った。全く実績のない研究に挑み「ごくつぶし」と言われた日々。それでも挑み続けることの大切さをこの記事が思い出させてくれる。リーダーの川口淳一郎。実ははやぶさの帰還前から仲間たちと次の探査機の構想を練っていた。若手たちに託した志がある。川口淳一郎は「自分たちもできるよ思って欲しい」などと話した。2014年、JAXAは「小惑星探査機はやぶさ2」を打ち上げ。そして弾丸発射によるサンプルリターンを完璧にやり遂げた。今JAXAでは火星の衛星に着陸し砂を持ち帰る人類初のプロジェクトも進んでいる。せん光となって散ったはやぶさの遺志は受け継がれている。