約300年前、福岡の小石原から伝承したとされる大分の小鹿田焼。特徴は器の表面。技法は「飛びかんな」「打ち刷毛目」など。街のシンボルである唐臼。付近から採取した土は、豊富な水の力で砕いていく。作業は共同で行われるという特異さから、小鹿田焼は国の文化財にも。その技術は一子相伝で守られていて、多くは長男が後を継ぐ。黒木は9年ぶりとなる陶工。幼少期から土遊びが好きで、高校時代はボート部に所属。卒業後、18歳でこの道へ。父・史人の父は27歳の頃に他界。それ以来1人で窯を守ってきた。この経験から息子には期待を寄せている。街では年に4回ほど窯焼きを行い、6月には取り出す作業へ。梅雨の晴れ間のこの日は外も窯の中も暑い。その中に黒木の初完成作品が。父はこれを「重すぎる」と指摘。母からは化粧堂をかける作業を教わる。これでムラができづらくなるが、黒木には難しかったよう。仕事が終わると昼食。