五ヶ瀬町にある宿泊施設「やまめの里」のオーナー、秋本治氏は40年以上前にスキー場建設を役場に提案した。向坂山で気象観測を続けた末、スキー場が適しているのではと思い至ったという。約20億円の建設費のうち、半分は国から補助がおりた。人口約5000人の町に日本最南端のスキー場がオープンし、町民は冬季従業員として支援した。来場者はしばらく5万人を超えていたが、近年は3万人前後。人口減少、暖冬の影響と不安材料が重なるなか、農家にとってスキー場で働くことは農閑期の貴重な収入源となっていた。だが、台風被害による営業中止を余儀なくされた。2024年8月、小迫幸弘町長はスキー場の営業再開を発表。五ヶ瀬ハイランドの川崎氏、町民からは安堵の声があがった。