去年1年間に日本を訪れた外国人旅行者は3686万人余りとなり、過去最多となった。グラフ・訪日外国人旅行者数の推移を紹介(出典:日本政府観光局)。2019年まで3188万人と順調に増えていたが、コロナ禍を受けて一気に落ち込み、段階的に回復して去年過去最高となった。今、ホットなスポットが“天下分け目の合戦”で知られる岐阜県の関ケ原町。世界的なヒットとなったドラマ「SHOGUN将軍」の舞台が「関ケ原の戦い」前夜となっていた。ドラマの配信が始まって以降、岐阜関ケ原古戦場記念館には戦国武将に関する展示などを目当てに、外国人旅行者が相次いで訪れている。一方で喜べないのが、観光地に旅行者が集中し地域の暮らしに悪影響を及ぼすオーバーツーリズムの問題。京都市では路線バスが混雑したため、通常のおよそ2倍の運賃で京都駅と観光地を結ぶバスを運行する対策を進めている。政府は、対策を強化する自治体に財政支援などを行うことにしている。オーバーツーリズム対策について、観光庁の秡川直也長官は会見で「地域における課題・実情があると思うので、観光庁としても後押しをしながら良い成果を出し、その取り組みを全体で共有することをやりながら引き続き取り組んでいきたい」と述べた。政府は日本を訪れる外国人旅行者を去年の3686万人から2030年には6000万人、そして消費額を去年の8兆円から15兆円へと、大幅に引き上げる目標を掲げている。今後さらに外国人旅行者を増やしていくためには、オーバーツーリズム対策に加えて、三大都市圏に集中する外国人旅行者を地方を観光地へどう導いていくか、さらに空港などの受け入れ体制の整備などが課題となる。
住所: 岐阜県不破郡関ケ原町関ケ原