メタバースとは、インターネット内の「仮想の3次元空間」で「アバター」を介し会話や交流を行うもの。しかし、岡山大学の長谷井准教授が開発したのは医療分野で活用するためのもので、長期闘病を余儀なくされる「希少がん患者」、「元がん患者」向けのメタバース。ことし6月、全国の病院にいる希少がん患者を繋げようと日本で初めて開発したという。10月には、2016年に希少がん「悪性骨腫瘍」と診断された長谷井さんの元患者・田邉さんが大学を訪れた。希少がんの患者数合計は、がん患者全体の15%程度で、1年間に約10万人が診断されていて、小児・思春期の若者・30代を中心に発症し、約200種類の悪性腫瘍が分類されている。このため同症例・同年代の希少がん患者が同じ病院内にいる可能性は低い。多くの患者が病室で孤独を感じるという。このメタバースは現在、東京・大阪・青森・石川の病院など全国9施設に試験導入中だという。