5月中旬、ドラマの撮影現場を訪ねた。物語の重要なシーン、大阪大空襲の場面が撮影されていた。この空襲が手塚治虫の分身、主人公・大寒鉄郎とヒロイン・岡本京子の運命を大きく変える。撮影場所は実際に戦時中に存在していた工場跡地。ただ建物をそのまま活用しただけではなく、クギなどを使わず傷をつけずにセットが組み合わされている。街並みを一気に空襲の現場に変えるのが視覚効果のチーム。燃え広がる炎、たちこめる煙をカメラの動きに合わせて作り出す。ヒロインの京子は原作の「紙の砦」では顔にやけどを負うシーンが印象的に描かれている。やけどを再現する特殊メイクは特製のシリコンを肌になじませ、色と質感を重ね塗りしながら再現していく。
