都道府県別に見た医師の充足度を示す偏在指標を紹介。赤色は医師が多いエリア、青色は医師が少ないエリア。東京・京都・福岡などで医師が多いのに対し、岩手・青森・新潟などで医師が少ない状況となっている。また、診療科によって医師数に偏りが生じている。1994年を1とした場合の推移を見ると麻酔科・形成外科・放射線科は増加しているが、外科や産科・産婦人科はほぼ横ばいとなっている。袖井氏は「緊急を有する産科・小児科・脳外科などにどう人を振り向けていくか。そういうところに行く人に対しては奨学金などの面で優遇するとか何かしないと全体のバランスが狂ってしまう」等と指摘。吉村氏は「シニアや中堅の医師も地域偏在対策ないし診療科偏在対策に参加できるようにする制度設計が重要だと思う。生身の医師を地域にあまねく専門医を含めて配置することは無理であるということを国民に説明し、例えばオンライン診療であるとか様々な技術を用いた代替的な診療行為を大胆に取り入れていかないと配置することは難しいと思う」等と指摘。武見氏は「地域において医師の数の割当を本気で考えなければいけない時代に入ってきたかなと思う。その中で診療科の偏在をどのように是正していくかも当時に考えることが必要。この点の考え方は今までと違う考え方で整備していく必要性が我が国に出てきていると感じる」等と述べた。オンライン診療などの遠隔診療に伊藤氏は「診療科や診療内容によっては適切に代替はできるものであるという前提で診療報酬などもインセンティブとして付けていかなければいけないと思う。医師だけで医療はできないので医師を支えている人達のサポートなどを適切に組めるようなことをしていかないと医師だけでどうにかなるというものでもないと思う」等と指摘。武見氏は「電子カルテを標準化させて全国的なプラットフォームを作り全ての医療機関が電子カルテのプラットフォームというものにアクセスし、オンライン診療する時にも患者の過去の病歴等に関わる大事な情報が常にそこを通じて患者にも医師にも共有でき、より適切な治療ができるようにさせておかなければならない。こういったことを総合的に戦略的に実施していくことによって我が国の地域医療がより効率的で持続可能なものになっていくと思う」等と述べた。