タケルさん(仮名)は出生届を出されず、戸籍も住民票もなかった。住民票にもとづいて乳幼児健診、入学手続きの案内が送付され、行政はそれによって存在を把握できる。外部からは異常かもしれないが、タケルさんにとって当たり前の生活だったといい、追い詰められている気持ちもなかったという。出生届が出されていないケースなど、戸籍がない子どもは少なくとも460人にのぼる。タケルさんの場合、NPOのサポートにより、戸籍を作ることができた。孤立により、実子を死亡させた男性は「周囲に相談できる人がいてくれれば、全然違ったのかな」と振り返る。ライターの杉山春さんは神奈川にある団地で孤立する家庭を生まないため、居場所づくりに取り組んでいる。親御さんは気軽に悩みを相談でき、子どもは地域に認識されて社会的接点を持つことになる。
