まず注目したのは「日本料理の傑作」というある元祖の店。ガイド本にある手書きの地図を参考にJR御徒町駅の線路沿いを進み、角を曲がると今も同じ場所にお店があり行列ができていた。30年前に建て替えられたが、明治38年から120年続く老舗「ぽん多本家」。皆さんのお目当ては、とんかつの元祖の一つとも言われるミシュランガイド東京ビブグルマンを獲得した「カツレツ」。扱うのは脂身がいっぱいのロース肉だが、脂身をすべてそぎ落とし火にかけ、生の油から揚げ油に変身させる。自家製の揚げ油については62年前の本にも書かれていた。肉厚の豚肉はぽん多のこだわり。フライパンで揚げ焼きする西洋のカツレツと違い、天ぷら風にたっぷりの油を使い低温でじっくり熱を通すのが初代からの調理法。一世紀を超えて愛される理由について、ぽん多本家4代目・島田良彦さんは「良い材料を使いなさい。上質な揚げ油を取りなさい。技術を磨きなさい。ずっと言われてきたこと。これを丁寧にしっかり積み重ねていくのが自分の役目」と話した。
			
