1500年の長い歴史を持つといわれる越前和紙。写経、和歌集、公文書など時代によって求められる用途に合わせてその技術を発展させてきた。岡本川の流域を中心とした5つの集落「福井県越前市五箇地区」に越前和紙の工房が立ち並んでいる。清らかな水と厳しい冬の気候が、良質な紙作りに適しているという。山間には岡太神社・大瀧神社が。その昔、岡本川の川上から1人の女性が現れ、この地域の人々に紙漉きの技術を伝えたと語り継がれている。人々はその女性を川上御前と呼び、紙の神様として祀った。越前の豊かな自然と伝統の技術との調和が織りなす越前和紙。川上御膳への祈りとともに五箇地区の人々の手に受け継がれている。