サラダボウル化が進む首都圏、その最前線を追うシリーズの2回目は学びの場で進む変化。6年前に開校した埼玉県川口市にある芝西中学校の中にある夜間中学「陽春分校」。不登校や貧困などさまざまな事情で学校に通えなかった人を受け入れている。訪れてみると50人の生徒のうち外国籍は41人。国籍は10か国に上りサラダボウル化している。そのうちの1人、中国籍の夏紅霞さんは去年4月に入学した。夏さんは夫が中国企業の日本支社で働くことになり9年前、娘と来日した。その後、日本で息子を出産。家族は日本語が堪能で会話も日本語が中心。これからも家族と日本で暮らし続ける予定の夏さんは日本語を習得して日本人の友達を増やし将来的には調理師の資格を取って働きたいと考えている。サラダボウル化が進む現状に学校はどう対応しているのか。授業中、教員の発言を機械で英語などに自動翻訳しスクリーンに投映したり。1年生で日本語が苦手な生徒には週9コマを日本語の授業に変更して対応している。さらに今年度からは日本語を教えるための教員も増えた。夏堀和也さんはおよそ20年間、昼間の中学校で数学を教えていたがここでは日本語も教えることになった。教材も手作りして授業中は一人一人に声をかけて習熟度を確認している。さまざまな事情で義務教育を受けられなかった人たちの受け皿となり社会を映す鏡と言われてきた夜間中学。時代の変化に対応しながら国籍も年齢もその背景も多様な人たちの学びの場になっている。こうしたサラダボウル化が進んでいるのは川口市だけではなく国の調査では全国の夜間中学に通う外国籍の生徒は、およそ64%を占めている。国は日本語教育に課題を抱えている夜間中学が増えているとして日本語指導のガイドラインを作ることにしている。ドラマ「東京サラダボウル」はNHKプラスでも配信中。あすは首都圏で暮らす知られざる若者たちの思いを伝える。
住所: 埼玉県川口市芝塚原1-11-13