きょうのテーマは「天才芸術家・岡本太郎のオバケ論」。河童、ろくろ首、天狗など日本には古来から様々なオバケが存在すると言われている。オバケに大きな関心を持っていたのが芸術家・岡本太郎。世界的芸術家が描いたオバケにまつわる作品を集めた展覧会「目もあやなオバケ王国岡本太郎のオバケ論」が神奈川県・川崎市岡本太郎美術館で10月6日まで開催。学芸員・細川茉利香さんが紹介。「変身」を紹介。岡本太郎は幽霊は人間の恨み言を代弁する存在、妖怪やオバケはどんな立場の人間に対しても、からかいバカにする愉快な道化師的存在と考えていた。ここでは岡本太郎が生前あまり発表していない写真を展示している。「なまはげ秋田」を紹介。岡本太郎は「なまはげのお面は鬼にして鬼にあらず、鬼と人の中間。人間でありながら、そのまま人間をこえている」と話し、なまはげをオバケに近いものと考えていたと思われる。海外の影響を受ける前の純粋な日本人本来の想像力の原点を探した。太郎はオバケ映画を見てオバケ屋敷に行き、雑誌などの資料を収集や文筆活動を行っていた。特に好きだったのが一つ目小僧や三つ目の大入道など目に特徴のあるオバケ。作品にも巨大な目が印象的な作品が多い。太郎は幼少期から物事を理解しようとすると、豊かな想像力で存在の裏の姿をイメージしてしまい、現実と想像のズレに20代半ばまで悩まされていた。存在してほしくないけれど存在しないと断言できないものが太郎にとってのオバケと思われる。岡本太郎が自分の中にオバケを感じて描いた作品が「千手」。岡本太郎が千手観音のようだと言われたことがきっかけで生まれた作品。オバケに見えるが人間を表現している。展覧会は10月6日まで開催。
住所: 神奈川県川崎市多摩区枡形枡形7-1-5