今月6日、性暴力の被害者を支援する全国8つのワンストップ支援センターが記者会見を開き、事業の継続が難しいとして国に予算の増額を求める要望書を提出したことを明らかにした。ワンストップ支援センターは被害者が泣き寝入りすることなく支援につながるようにするための窓口で全国の都道府県に最低1か所設置されている。病院での診察や警察への相談、後に裁判を起こす際に必要な法律相談などを文字どおり1つの窓口で受け付け、被害者の負担を減らしている。全国のセンターに昨年度寄せられた相談は6万9100件。これは過去最多だった。しかし、被害者の頼みの綱であるワンストップ支援センターが今運営の継続が危ぶまれる事態に陥っている。被害後、支援を受けてきた20代の女性とその母親。支援のおかげで少しずつ日常を取り戻している。2人が駆け込んだのが民間の病院に拠点を置くワンストップ支援センター(大阪)。ここでは被害の証拠となる体液の採取や緊急避妊薬の処方などの医療的支援、それに警察や弁護士への相談の付き添いなどさまざまな支援を行っている。
医療の支援を担う産婦人科医や看護師の人件費の問題がある。通常の診察時間は10〜15分ほどだが、性被害の診察は1時間ほどになる。相談者の約半数は慎重な対応が必要で、1人の診療報酬に比べて多くの人件費がかかる。性暴力救援センター日赤なごやなごみ・加藤紀子医師は「看護師が被害者にことばかけしながら力を抜いてもらって診察することが多い」という。相談の6割は夜間に集中する。緊急性を擁するため24時間の相談を受け付けているが、その分人件費がかさむ。運営費は国や自治体の補助で賄っているが、医師や看護師の人件費は対象外のため、運営を続けるほど赤字が膨らむ構造になっている。日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院・古橋啓太総務課長は「医師や看護師も使命感からやっている。相談業務を継続するにあたり非常に人件費や経費がかかる部分がある。厳しい経営状況の中、どうしても課題になる」と話す。
医療の支援を担う産婦人科医や看護師の人件費の問題がある。通常の診察時間は10〜15分ほどだが、性被害の診察は1時間ほどになる。相談者の約半数は慎重な対応が必要で、1人の診療報酬に比べて多くの人件費がかかる。性暴力救援センター日赤なごやなごみ・加藤紀子医師は「看護師が被害者にことばかけしながら力を抜いてもらって診察することが多い」という。相談の6割は夜間に集中する。緊急性を擁するため24時間の相談を受け付けているが、その分人件費がかさむ。運営費は国や自治体の補助で賄っているが、医師や看護師の人件費は対象外のため、運営を続けるほど赤字が膨らむ構造になっている。日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院・古橋啓太総務課長は「医師や看護師も使命感からやっている。相談業務を継続するにあたり非常に人件費や経費がかかる部分がある。厳しい経営状況の中、どうしても課題になる」と話す。